クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
黒の高級ドイツ車の前で朝比奈先輩が立ち止まり鍵を開ける。

てっきりアストライア車かと思ったのに他のメーカーの車だったのが意外だった。

「乗って」

彼が声をかけるが、私は素直に車のドアを開ける事が出来なかった。

「何をぐずぐずしている?」

少し苛立った朝比奈先輩の声に、身体がビクッとなる。

「……乗れません。私が乗ったらシートが濡れます」

こんな高級な車のシート、濡らせるわけがない。

「そんなこと気にしてる場合か」

呆れたように呟いて朝比奈先輩が運転席のドアの前から助手席のドアの方に回り込み助手席のドアを開けると、いきなり私の身体を抱き上げる。

「きゃあ!」

ビックリして私は声を上げたが、朝比奈先輩は涼しい顔で私を助手席のシートに乗せると素早くシートベルトを締めた。

先輩の顔が近づいて私はギュッと目をつぶる。

「意識しすぎだろ?襲って下さいって言ってるようなもんだ」
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