クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「あの……どこか近くの駅で降ろして頂ければ、ひとりで帰ります」

恐る恐るといった様子でひよこが俺に声をかける。

「電車がいつ動くかもわからないのに?」

俺がチラリとひよこに目を向けると、彼女はうつ向きながら小声で呟いた。

「……カフェで時間を潰します」

「そんなずぶ濡れで?」

俺の指摘にひよこが黙り込む。その間、カーナビのタッチパネルを操作して渋滞情報を確認すると、首都高が通行止めになっていた。

「……これはマズイな」

「何がですか?」

「首都高が通行止めになってる。ひとまず、俺の家に帰る」

下の道を通ってもこの状況ではいつひよこの家に着くかわからない。

「え?ええ~?」

ひよこが目を見開いて素っ頓狂な声を上げる。
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