クールな王子に捧げる不器用な恋【番外編追加】
「ほら、上がって」

ひよこに声をかけるが、彼女は首を横に振る。

「……私はここで。私が上がったら水浸しに……‼」

「そんな事気にしてる場合か」

グズグズしているひよこを一喝して、彼女の手をつかんで強引に上がらせる。

「ちょっ……朝比奈先輩、待って下さい。パンプス脱がないと……」

ひよこが慌ててパンプスを脱ぐと、俺は彼女の手を引いてスタスタとバスルームに向かった。

「先にシャワー浴びてて。タオルはそこの棚にあるのを適当に使ってくれればいい」

「……着替えも持ってないですし、朝比奈先輩が浴び……‼」

「ひよこ、これ以上怒らせないでくれるかな?ひとりで入らないなら俺と一緒にシャワーを浴びる事になるが、いいのか?」

壁に手をついてひよこを壁際に追い込み、彼女のブラウスのボタンに手を触れると彼女は瞳を震わせながらゴクリと息を飲んだ。
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