【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
「もう限界です。限界、なんです……好きが溢れてもう止められない。自分の気持ちが、止められない」


止まらないのは気持ちだけじゃない。私の瞳からはとめどなく涙が零れ落ちる。


ぽろ、ぽろと膝を濡らす涙はきっと、私の溢れた行き場のない気持ちを形として表して、少しでも胸の痛みを、苦しみを押し出した物。


真っ赤になっていたタクだったけれど、尻餅から正座をするような体勢になり、私の涙を親指でそっと拭った。


骨張った指先は少し震えていて、熱い。タクの温度が上昇している。私のせいで、熱を上げている。


「優しくしないで下さい。……分かってるんです。タクの、タクの心が、穂純さんを欲している事くらい。子供の私にだって」


私の言葉に、タクが親指の動きを止めた。


本当は止めないで欲しいのに、こんな大胆な事をしたのにまだ虚勢を張る私は、きっと可愛げが無い女。


けれど、一方的でも少しはプライドを持たせてよ。優しく許してよ。
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