【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
私の唇を、口内をじっくり探るようなキスは、タクの声のように甘く柔らかく、けれども味わった事の無い甘美な味。


「ん……ふは」


息を吐く間も与えてくれなかったそのキスを終えると、タクは互いから零れ私の顎を濡らした唾液をじっとりと舌で拭い、顎のラインをなぞって耳を唇に挟み込む。


タクの唇から、舌から放たれる艶やかな音がダイレクトに響いて羞恥心を煽られた。


「や……それ、やぁ」


「嫌……?あんなに大胆な事を言ったのに、君はそんな事を言うんですね。でも僕、もう止められそうに無い。意地悪な事もしちゃうかも。僕、君が思うより優しくありませんから……」


眼鏡を外して丸腰のタクの眼鏡。黒くてギラギラしていて、その鋭い眼光に身体全部が痺れに覆われる。


「……可愛い」


再び耳元にすいと寄って放たれた、いつもよりずっと甘くて低くて掠れた声。それは私を媚薬のように溶かす。


骨張った掌全体が優しい手付きで私の身体を這い回り、焦らすように乳房や周囲を撫で回し、私の身体を研究しているみたい。


焦れてしまいそうな程、もどかしくスローな動きの一つ一つに、いちいち肩を揺らす事しか出来ない。
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