【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
その後の時間を、いくら蒼次郎と共にしても、綺麗なイルミネーションを見ても、美味しいご飯を食べても、私は、ずっと心に淋しさを残しているような気持ちだった。



顔では笑っていても、心から笑えない。私は上手く仮面が被れているのかな。


そんな気持ちのまま、クリスマスデートは終わりに近付いて来た。冬の一日は、そんなに長くは私を照らしてはくれない。


「美姫、今日、俺ん家泊まらないか?うち、今日親も泊まりでデートなんだ」


蒼次郎の問い掛けに、頷きかかった所で思い止まる。


『素直に生きればいいんじゃね?』という、大喜さんの言葉が、なんだか胸に響いた。


私、本当はどうしたいんだろうと考える。でもそんなの、考えなくても、分かることだ。


ぐっと喉を詰まらせだらしない音を鳴らし見上げると、蒼次郎は白いマフラーに頬を埋めて私の答えを待っている。


私が自分にとって良い答えをくれるのを待っているんだって、好きなのに手に入らない人がいる今の私には良く分かるよ。
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