【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
「さて、どうするか?うちに送ってやろうか?結構暗いしお前片親だったろ?母ちゃん心配するぞ」
「……いえ。どうせ、家には誰にもいませんから」
母は仕事で帰らない、と言っていたけど、どうせ恋人と一緒なのだろう。
どうやら相手の人にも子供がいるらしく、そっちと仲良くしていた方があの人も幸せに違いない。要らない娘といるよりずっと。
「あっそ。じゃあ……うち来るか?」
零さんは余計な詮索の一つもせずに、突然そんな事を申し出て不敵に笑う。
「馬鹿穂純がお前の事を心配してたしな。俺が捕獲して帰ったら喜ぶんじゃねえの?」
「何それ。それじゃあまるで私、野良猫みたい」
私は零さんの言葉があまりにもおしくて、ついふっと笑ってしまう。
自分の事を雇ってくれている社長に対して何て失礼なんだろう。どこかで第三者のように眺めてる私がそう言っているけれど、本体はもぬけの殻で、謝る気も起きやしない。
「生意気な女。でもま、俺はそういう小娘はなかなか好きだぜ。ほら、行くぞ」
エンペラーはいつでも身勝手。だけどこの人の身勝手は、どんな時も人を幸せにしてくれる。
「……いえ。どうせ、家には誰にもいませんから」
母は仕事で帰らない、と言っていたけど、どうせ恋人と一緒なのだろう。
どうやら相手の人にも子供がいるらしく、そっちと仲良くしていた方があの人も幸せに違いない。要らない娘といるよりずっと。
「あっそ。じゃあ……うち来るか?」
零さんは余計な詮索の一つもせずに、突然そんな事を申し出て不敵に笑う。
「馬鹿穂純がお前の事を心配してたしな。俺が捕獲して帰ったら喜ぶんじゃねえの?」
「何それ。それじゃあまるで私、野良猫みたい」
私は零さんの言葉があまりにもおしくて、ついふっと笑ってしまう。
自分の事を雇ってくれている社長に対して何て失礼なんだろう。どこかで第三者のように眺めてる私がそう言っているけれど、本体はもぬけの殻で、謝る気も起きやしない。
「生意気な女。でもま、俺はそういう小娘はなかなか好きだぜ。ほら、行くぞ」
エンペラーはいつでも身勝手。だけどこの人の身勝手は、どんな時も人を幸せにしてくれる。