【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
零さんの意外と普通な軽自動車に乗り込み、そして思ったよりも普通の高層マンションに到着した。


「もっと嫌味な高級なところに住んでると思ってました。ついでに車も、嫌味な左ハンドルの外車だと思ってましたし」


「ハァン?そんな無駄な金使うかよ。必要最低限生活出来れば問題ねぇし」


エレベーターで最上階まで上り、取り留めのないような会話をしながら零さんの部屋の前に立ち止まる。


セキュリティのしっかりしてそうなドアをカードと番号で開くと、部屋からは賑やかな声が聞こえた。


「今日は煩いのが数人いてな。大人の飲み会だが、お前も四捨五入したら大人だからまぁ問題無いだろ」


なんてアバウトな大人なんだろう、と思いながらも、なんだか零さんのおかげで沈んだ心が少しだけ楽になった気がした。


やっぱりあの優しい住人を統率している人。そしてあの穂純さんの旦那さんだ。この人を最強と呼ばずに誰をそう呼べば良いのか、今の私には考えられない。
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