【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
リビングのドアを零さんが開くと、お店で働いて来て疲れてる筈の穂純さんが一番元気に楽しそうにしている。
机を囲むのは、以前私に貴重な話をしてくれたデザイナー兼スタイリストの美琴さんと、ヘアメイクアーティストのゴローさん。
それと、ホールのメンバーのマサトと、私の知らない女の人。
「零さんおかえり!……って、美姫ちゃん?」
穂純さんの色素の薄い、おそらく自然の色であろう髪の毛が揺れる。
「さっぶい街中でぶるぶる震えてる野良猫を拾ってきちまった。構わねぇだろ?」
零さんが得意の『ふん』と鼻で笑う仕種をして見せると、穂純さんはいつもと変わらないその満面の笑みを向けた。
「勿論!可愛い女の子は大歓迎だよ!さ、一緒に食べよ!」
その笑顔は正しく太陽。眩しくて温かくて、零さんの言葉を借りるなら外で凍えていた小汚い野良猫さえも温める、そんな笑顔。
小走りでやって来た穂純さんは、私をその細身の体でぎゅっと抱き締めた。
「大丈夫。ここにいれば、大丈夫だよ」
ああもう、この人からタクを私に向かせる事なんて絶望的。だって、どんなに嫉妬して狂いそうになっても、私はこの人を嫌う事なんて出来ないから。
机を囲むのは、以前私に貴重な話をしてくれたデザイナー兼スタイリストの美琴さんと、ヘアメイクアーティストのゴローさん。
それと、ホールのメンバーのマサトと、私の知らない女の人。
「零さんおかえり!……って、美姫ちゃん?」
穂純さんの色素の薄い、おそらく自然の色であろう髪の毛が揺れる。
「さっぶい街中でぶるぶる震えてる野良猫を拾ってきちまった。構わねぇだろ?」
零さんが得意の『ふん』と鼻で笑う仕種をして見せると、穂純さんはいつもと変わらないその満面の笑みを向けた。
「勿論!可愛い女の子は大歓迎だよ!さ、一緒に食べよ!」
その笑顔は正しく太陽。眩しくて温かくて、零さんの言葉を借りるなら外で凍えていた小汚い野良猫さえも温める、そんな笑顔。
小走りでやって来た穂純さんは、私をその細身の体でぎゅっと抱き締めた。
「大丈夫。ここにいれば、大丈夫だよ」
ああもう、この人からタクを私に向かせる事なんて絶望的。だって、どんなに嫉妬して狂いそうになっても、私はこの人を嫌う事なんて出来ないから。