【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
「あー成程。姉ちゃんとミコ君が言ってた困ったちゃんって美姫ちゃんの事だね。うん、成程ね」


そんなぼやきを零すと食卓の輪の中へ素早く手を伸ばし、穂純さん以上の食べっぷりを見せる妹さん。


肉を豪快に掴んで食べ、そして、口が落ち着いたらまた口を開く。


「本当に好きな人と一緒にいないとダメだよ?今すぐ会える人なら尚更。会えるだけで幸せなんだから!会いたくても会えない人はいっぱいいるのに勿体ないよ?」


「あずっちの言う通りだよぉ。美姫はまだ若いんだからあ、我が儘言ってもいいんだよ?」


妹さん言葉に、ゴローさんが同調するように言う。それはイジメっ子の後ろの子分の『そうだそうだ』並の軽さだったけれど、多分それはゴローさんの人間性だったりで。


この人達といると、その言葉の全部が優しくて、本物で、優しさの重みを感じる。


悲しくないのに、むしろ優しくしてもらって嬉しいのに、胸のところが突っかかってしょうがない。
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