【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
私はその突っかかりをほぐすために、近くのコップを握り、勢いに任せて一気にそれを飲み干した。


「あー!美姫ぃ、それ、俺のバーボンだよぉ」


ゴローさんが言ったけれどもう後の祭り。口にはアルコールの臭みが、喉にはアルコールの度の強さで焼ける痛みが広がる。


小さい頃、大人のビールの泡だけ飲んだり、とかはあったけれど、こんなにガッツリと、しかも一気にお酒を飲むのは勿論初めて。


いけない事に煙草はもう済んでいたけれど、どうにもお酒に手が伸びなかった私にとって、初体験のクラクラが襲いかかる。


「うっ……」


「わー!美姫ちゃん!?ちょっとゴロちゃんの馬鹿っ!自分のお酒美姫ちゃんの近くに置かないでよ!」


気持ち悪いのと、口に苦みと臭みが広がるのとで意識がふんわりと遠くになる。


あ、もうダメ。何か凄く眠い。今すぐねたいからちょっとだけ寝させてもらおう。


そのふわふわする意識の中、穂純さんがゴローさんを叱咤する声が聞こえた気がした。
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