【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
この間の、繊細な指遣いとは違って、今日のタクは余裕のない手つき。雑、とか激しい、とかっていうのとは違って、本当に余裕が無いようだ。


身体中を這い回るタクがキスする為に顔を上げた時に見せる瞳は、この間よりも男の色で満ちていて、獣のような光を放っている。


満足してニヤリと歪ませた唇が私の瞼に口付けて、その間にしつこく私の中にゴツゴツの骨張った指が探りを入れた。


「……っ!?」


余裕のない手先だけれど、この間触れられなかったある一点を突かれ、思わず吐息が漏れる。


「あ……ここがイイんだ。凄く、可愛い反応」


ボソッと呟いたタクが敬語じゃないのと、少しの汗でしっとりと湿った腕で長めのウェーブがかった前髪を掻き上げる仕草に、どくんと心臓が大きな音を立てて響く。


今までに感じたことのない、息が詰まりそうな感覚が、私を未知の領域へと引っ張る。


「いやぁ、怖い、何か、変……!」


「変じゃない、怖くない。従って良いよ、そのまま、そのまま」


タクのいつもよりずっと鋭く尖った艶やかな声が脳髄まで響いて、甘い痺れが私のそこを中心にびりびりと駆け巡る。


出した事の無い高い声と共に脱力すると、タクは瞳をギラつかせ、その骨張った中指と薬指をべろりと舐めた。
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