【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
車を走らせながら想うのは、君のことばかり。


どうして僕は、こんなに君の事にになると必死になるのだろう。もがいて、綺麗じゃない姿でばたつくのだろう。


どうして僕は、こんなに君の為なら動けるのだろう。他の人にはそこまで出来ない。身を、気持ちまでもを削ってそんな事は。


そう、ふとある日気付いた事があった。


僕を照らした太陽。その下には僕の心の家。その家の周りには、いつしか、彩り鮮やか、とは言えないけど、落ち着く、水彩画のような色の紫陽花が咲いていた。


いつの間にか咲く紫陽花のように、君は、僕の中で咲き誇っていたんですよ。


美姫を初めて見たあの日に一つ咲いた。話したらまた咲いた。抱いた時は一気に咲いた。君を知る度に、君に触れる度に、紫陽花は心の中で咲き続ける。


こんな中途半端なままで君に近付いてごめん。君を撫でて、君を腕の中に閉じ込めて、君にキスして、君を抱いて、ごめん。


いつも、君がお腹を抱えて笑う姿が見てみたかった。時折君のぐちゃぐちゃに泣く姿が見てみたくてしょうがなくなった。


そんなの僕の独りよがりな想いだ。僕は周りの事を一番に出来る人間じゃない。だけど、だけどね。


それでも僕は、君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶんです……。
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