【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
身体を重ねた時とは違う、心が重なったキスを美姫に贈る。重ねた唇から愛しさが込み上げ、また、心が泣き出しそうな程叫びそうになる。


「……美姫、僕は、僕のちっぽけなプライドで君を失いたくはない。ようやくそのことに気付きました。遅くなりました。散々待たせてしまいましたが……僕の我が儘を、聞いてくれますか?」


僕が真っ直ぐ美姫を見つめると、美姫が潤んだ瞳で僕を見て、小さく頷く。


「お願いです……もう僕から離れないで。傍にいて。君の心は僕が照らす。だから、君はその美しい花を僕の中でずっと咲かせていて下さい。僕と共に、歩んで下さい。否定的な返事は、出来れば受け付けたく無いです」


やっと君に伝える事が出来たね。沢山回り道をして、時には人を傷付けて、互いに辛い想いをしたけれど、ようやく僕の想いを君に伝えられた。


僕が言い切るや否や、美姫の瞳からぽろぽろと涙が零れた。


その美しい涙が砂浜に溶けて行く。なんて勿体ないのだろう。君が零す涙の一粒一粒、全部が煌めいていて、宝石みたいで、僕は宝箱に詰めてしまいたい。
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