【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
蒼次郎は中学校二年から同じクラスで、何かのきっかけで話し、家が近所なのを知り更に話すようになり、仲良くなった。


そもそも穏やかな蒼次郎とは波長も合うし、一緒にいる時間が長いから、その当時から母親とその恋人の関係だったり、学校特有の巡ってくるいじめのようなもので独りぼっちだった私にとって、一番の存在だった。


付き合おう、と言われた時もいつからか蒼次郎が私をそんな風に見ているのを何となく分かっていたし、私もそういった存在だったから受け入れた。


なのに、いつの間にか蒼次郎の存在が面倒になって、本当に笑えなくなった。親や教師、周りの同級生と同じように接していた。


タクと電話する時は、こんなに指先が重たく感じることなんかないのにな。


いつから、私は誰かと付き合っていくのに価値観の有無で選択するようになったのだろう。


成長か衰退か、ともかく、そうして私はなりたく無かった大人へと進んでいる。さっきぞんざいに脱ぎ捨てた制服のように、子供の殻を粗雑に棄てて行く。
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