【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
電話をかけ直すと、三コールと数えること無くすぐにコール音が途切れる。
蒼次郎は推薦で進学が決まっているから周りと違い勉強の必要ももう無く、また、相当時間に余裕がある。それがこんなに恨めしいものだとは思っても見なかった。
《もしもし》
「あ、もしもしゴメン。電話、気付かなかった。就職の為にちょっと色々調べてて」
めんどくさいという気持ちは飲み込み、いつもの薄汚い仮面を被り、私は受話器越しの蒼次郎と偽物の会話を始める。
電話には特に用事があったわけではないみたい。やはり、私のここのところの距離感が不安だったのだろう。
直接私を問い質しているわけじゃない蒼次郎相手になんだか欝陶しいな、なんて思ってしまう私は最低だ。
蒼次郎は悪くない。悪いのは、彼を愛せない私なのだろう。
電話の蒼次郎の声を聞きながら、私は自分にしか分からないように欠伸を噛み締めた。
その欠伸は悪魔のキスのよう。渦巻く倦怠感に逆らうのすら億劫で堪らない。
蒼次郎は推薦で進学が決まっているから周りと違い勉強の必要ももう無く、また、相当時間に余裕がある。それがこんなに恨めしいものだとは思っても見なかった。
《もしもし》
「あ、もしもしゴメン。電話、気付かなかった。就職の為にちょっと色々調べてて」
めんどくさいという気持ちは飲み込み、いつもの薄汚い仮面を被り、私は受話器越しの蒼次郎と偽物の会話を始める。
電話には特に用事があったわけではないみたい。やはり、私のここのところの距離感が不安だったのだろう。
直接私を問い質しているわけじゃない蒼次郎相手になんだか欝陶しいな、なんて思ってしまう私は最低だ。
蒼次郎は悪くない。悪いのは、彼を愛せない私なのだろう。
電話の蒼次郎の声を聞きながら、私は自分にしか分からないように欠伸を噛み締めた。
その欠伸は悪魔のキスのよう。渦巻く倦怠感に逆らうのすら億劫で堪らない。