【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
そんなタクの気持ちに気付いて、ますます痛む私の心臓。どくん、どくんと痛みを伴うポンピングは止まない。


まるで、今にも泣き出しそうな子供みたいに張り裂けそう。爆発してしまいそうなんだ。


このまま泣いて泣いて、泣きわめいて当たり他散らせば、この痛みは終息を迎える事は出来るのかな。


「美姫?どうかしましたか?」


「あ、大丈夫です。い、ただきます」


何かが詰まっているようで働かない頭だけど、なんとか返事をしてシュークリームに手を伸ばす。


私……気付いちゃいけないことに、二つ気が付いた。


口に運んだ甘すぎないシュークリームのホイップを溶かしながら無意識のうちに舌で転がす。


そのホイップみたいに溶けて消え去ってしまえばいいのに。少しの余韻も残さず、無かった事に出来れば楽だろうに。


タクが穂純さんを好きということを知ってしまった記憶と、そんなタクに、泣き出しそうな程に恋い焦がれている、自分の感情なんて。
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