【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
激しさと痛みで、いつの間にか気を失っていたらしく、私は背中と頭、下腹部辺りに鈍痛を覚えながら目を覚ました。
目の前には、朝の怒りの込み上げた顔をした蒼次郎ではなく、自分のした事への罪悪感に満ちた表情をした蒼次郎。
「美姫、ごめん。俺、不安だったんだ。あの写真だって、昨日クラスの奴が偶然見つけたって言ってて、でも美姫達はそういう雰囲気じゃなかったって聞いてたんだ。分かってたのに、俺は……」
これが蒼次郎の本音だってことは十分伝わる。けれど、申し訳無かったとか、そういう蒼次郎へ対して何の感情が私の心に芽生えないんだ。
私は……最低だ。これが彼氏へ対しての心の持ちようじゃないんだって、そんな事頭では分かってる。
けれど、心にまでは仮面を被る事は出来ない。暗示をかけて蒼次郎を好きな気になれる程起用じゃない。
変わりたいなんて仄かに思っていても結局私は変わらない。あの母親から生まれた子供の私はそうやって汚い大人になるしかないの。