【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
私はそのまま、気付かれないように静かに家を後にした。
雲一つない空がまるで私を嘲笑っているように見えて、それが堪らなく腹立たしくて、アスファルトに落ちる長い影を見つめながら歩く。
涙は不思議と零れなかった。多分、気付いていた事が形になっただけだから、私は簡単に現実を受け止める事が出来たのだろう。
向かう先は、私とそっくりな物寂しいじめじめした公園。
私の特等席のボロボロの錆びたベンチに腰掛けて、隠し持っていた煙草を取り出した。
ガツンと重みを感じる為にわざと高いタール数の物を買った煙草。今や、ヤニで頭がくらくらする事もなくなってしまっている。
最初は未成年なのに買う事が罪悪感でいっぱいだったが、そもそも少し老けて見える私は疑われる事無く買えるから、その罪悪感もいつの間にか無くなっていて。吸う度に不味い味が広がる感覚に、快楽すら覚えていて。
タクと出会って以来ご無沙汰だった煙草は、口の中でもやもやと広がって、そして苦みを残した。
ふぅ、と肺から外へと煙を吐き出すと、晴天に似合わない灰色が空へと溶け込み、余韻すら残らない。
雲一つない空がまるで私を嘲笑っているように見えて、それが堪らなく腹立たしくて、アスファルトに落ちる長い影を見つめながら歩く。
涙は不思議と零れなかった。多分、気付いていた事が形になっただけだから、私は簡単に現実を受け止める事が出来たのだろう。
向かう先は、私とそっくりな物寂しいじめじめした公園。
私の特等席のボロボロの錆びたベンチに腰掛けて、隠し持っていた煙草を取り出した。
ガツンと重みを感じる為にわざと高いタール数の物を買った煙草。今や、ヤニで頭がくらくらする事もなくなってしまっている。
最初は未成年なのに買う事が罪悪感でいっぱいだったが、そもそも少し老けて見える私は疑われる事無く買えるから、その罪悪感もいつの間にか無くなっていて。吸う度に不味い味が広がる感覚に、快楽すら覚えていて。
タクと出会って以来ご無沙汰だった煙草は、口の中でもやもやと広がって、そして苦みを残した。
ふぅ、と肺から外へと煙を吐き出すと、晴天に似合わない灰色が空へと溶け込み、余韻すら残らない。