【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
タクは私から取り上げた煙草をそのまま吸いながら、自然な流れでベンチに腰掛ける。
ゴツゴツと骨張った男臭い長い指先で煙草を挟み込み、ふう、と煙を吐き出すタクから出る、恨めしいくらいの色気。
銀色のフレームの眼鏡のレンズ越しに、タクは何を見ているのだろう。太陽が反射していて、横顔なのも手伝って良く分からない。
なんてぼんやり考えていたら、タクが不意に私に話し掛けた。
「聞かない方がいいのは承知ですが……美姫、何かありました?」
「何でそう、思うんですか?」
上手く仮面を被っていたつもりだったのに、あまりにもずばりと当てられたから、私は驚きつつ、平然を装って尋ねた。
すると、私を見つめるように顔を向けたタク。その表情は、何だか少し切ない色に染まっている。
それは、私の為だけに向けてくれる顔なのかな。例えそれが同情でも嬉しい。嬉しくない訳が無い。
好きだと勝手に想っている相手が私の為に、私だけの為に表情を変えて見つめてくれている事がこんなにも嬉しい事なんて知らなかったよ。
ゴツゴツと骨張った男臭い長い指先で煙草を挟み込み、ふう、と煙を吐き出すタクから出る、恨めしいくらいの色気。
銀色のフレームの眼鏡のレンズ越しに、タクは何を見ているのだろう。太陽が反射していて、横顔なのも手伝って良く分からない。
なんてぼんやり考えていたら、タクが不意に私に話し掛けた。
「聞かない方がいいのは承知ですが……美姫、何かありました?」
「何でそう、思うんですか?」
上手く仮面を被っていたつもりだったのに、あまりにもずばりと当てられたから、私は驚きつつ、平然を装って尋ねた。
すると、私を見つめるように顔を向けたタク。その表情は、何だか少し切ない色に染まっている。
それは、私の為だけに向けてくれる顔なのかな。例えそれが同情でも嬉しい。嬉しくない訳が無い。
好きだと勝手に想っている相手が私の為に、私だけの為に表情を変えて見つめてくれている事がこんなにも嬉しい事なんて知らなかったよ。