【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
「……そうですか。それは、美姫にも、彼にも悪いことをしました。けれど、彼が美姫にした乱暴だけは許せません。それは何があっても、どんな関係でも許されざる行動です」


「いえ。蒼次郎のことは、私にも落ち度がありますし。……それに、蒼次郎は勘が良いから、薄々感づいてたんだと思います。私が初めから彼に気持ちが無いのに。だから、余計に不安にさせてしまった」


タクは私の言葉を聞くと私から離れ、「んー」と唸った。次の言葉を慎重に選んでいるような仕草だ。


「一度その蒼次郎君ともお話したいものです。男同士、腹を割って」


私のために真剣に考えてくれるタクに、私は思ったことを口に出す。


「どうして、他人の為にそんなに親身になれるんですか?私には理解出来ません」


それはずっと思っていた事。初めて出会った時から彼は私にずっと親身になってくれている。本当は私なんかを相手にしている程暇でも無い人なのに。


タクは私の問い掛けに困ったように笑うと、さも当たり前のようにこう言った。
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