【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
「お前さんは何もかも隠しとうつもりやろうけど、俺にもタクにも、零や穂純だって見りゃあ分かるけえ、隠すだけ無駄じゃよ」


美琴さんの、タクよりも心を見透かすような眼が私を捕らえる。


「美姫……やったか?辛いもんは一人じゃ解決出来んよ?誰かに頼るのは悪い事やない。一人で考えとうても答えは出んもんじゃけぇの」


まるで私の全てを知っているような美琴さんの言葉は、ただ真っ直ぐ、真っ直ぐ私に突き抜けた。心が射抜かれて、言葉が出ない。


「美琴、それくらいにして上げて下さいよ。美姫にはまだそれは少々厳しい」


「はーいはい、おじさんは煩いのぅ。嫌じゃ嫌じゃ」


私が少し困惑しているのを分かってか、タクがフォローを入れる。


それに対して美琴さんは、タクにニヤリと笑いひょうひょうと、適当に返した。


神経質で言葉の一つ一つが繊細な造りのタクと美琴さんは正反対。けれども、根っこの温かさはどうしてか同じなんだ。
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