【完】君の指先が触れる度、泣き出しそうな程心が叫ぶ
「そういえばこのメンツで思い出した。今日ゴローも本社に零さん関連の仕事でいるんですよね」


「ほう。そいじゃあ是非美姫にも会わしてやりたいのう。穂純信者の四人目に」


美琴さんは言うなりスマホを取り出すと、さっと慣れた様子で電話をかけた。



「あの……今からどうなるんでしょうか?」


「どうやら五年前このお店で働いていた同期がもう一人来るようです。美姫にもいずれ紹介しようと思ってたし、いいタイミングでしたね」


私の問い掛けにタクはふふ、と笑うと立ち上がり、私の頭をくしゃくしゃと撫でた。


「そんな不安そうな顔をしないで下さい。なんというかまぁ、ゴローはそうだなぁ、ポメラニアンみたいなものですから、大丈夫ですよ」


「ポ、ポメラニアン、ですか」


私はあまり大人数で話すのが得意ではない。初対面の人なら尚更だ。


それを考慮してかタクがフォローで入れたその言葉は、なんだか想像するには難しい例えだった。
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