俺様当主の花嫁教育
御影さんは軽く歪めた口元を小さく動かして、呟くようにそう言った。
威丈高で物騒なようで、どこか柔らかい言葉に、頭の芯が麻痺したように、ボーッとしてしまう。


「み、御影さ……あっ……!」


更に大きく私の袷をはだけると、御影さんは躊躇なく私の胸に顔を寄せた。
敏感なところを唇と舌で攻められて、私の身体がビクンとしなった。


降り注ぐ月明かりを遮るように、御影さんが私の身体に覆い被さった。
自分のものじゃない体温が染み入って来て、ゾクッとした甘い痺れが脳に伝わる。


「やっ……ああ……」


『抵抗してみろ。じゃないと、つけ込むぞ』


そんな言葉を思い出して、彼の二の腕に力のこもらない手をかける。
そのくらいじゃ、何の抵抗にもならないとわかっていたのに。


御影さんの言葉は、まるで麻薬のように私の身体を支配していた。
彼の声も吐息も、指使いまでも、私の身体に深く刻み込まれて、そして浸透していく。


甘く中毒性のある刺激が、私の、そして御影さんの身体を潤わせる。
堪え切れない甘い声を漏らして、私は何度も御影さんを呼んだ。
呼応するように、御影さんの愛撫が強まる。


その夜、私たちは月に隠れて肌を重ねて交わった。
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