俺様当主の花嫁教育
「な、何よ、それ。なんでそんなこと……」
「第一に、着慣れない人間がその場だけ取り繕ったところで、人の目を惹くなんて無理だ」
カウンターにのせた肘の先で、一本指を折りながら告げられる言葉に、うっと口ごもる。
「第二に、あんたは大和撫子には程遠い。生まれてから今まで、どれだけ『和』に触れてきた? 行事だっていっしょくただろ。盆暮れ正月と同じように、クリスマスとハロウィンを楽しむ」
「そ、そんなの誰だって同じじゃない。なんでそんなことで責められないといけないの」
「わびさびの心も知らない。興味を持って踏み込んでみたこともない女じゃ、せいぜい七五三程度にしかならないってことだよ」
私の中で、何かがブチッと音を立てて切れた。
彼の言うことは一々私のこれまでの生き方を言い当てていて、そこに正論をぶつけられない。
でも、言われっぱなしで悔しいのは確かだった。
「や、やってやるわよっ!」
ドンッとカウンターを拳で叩いて、もう一歩彼に踏み出した。
『志麻』と由香が後ろから止める声が聞こえるけれど、失恋の痛手を受けたこの状態でこうも言いたい放題言われたら腹が立つ。
煮えくり返る。
見返してやる、いいじゃない。
やってやろうじゃないの!
「西郷さんもあなたも、見て驚くんじゃないわよっ! 心の底から後悔してひれ伏したくなるくらい着物美人になってやるっ……」
「どうやって?」
「ど、どうって……」
「手伝ってやるよ。俺が」
「……は?」
勢い付いた言葉を途中で遮られて、その挙句意味不明なことを言われて、私は素でキョトンとした。
「第一に、着慣れない人間がその場だけ取り繕ったところで、人の目を惹くなんて無理だ」
カウンターにのせた肘の先で、一本指を折りながら告げられる言葉に、うっと口ごもる。
「第二に、あんたは大和撫子には程遠い。生まれてから今まで、どれだけ『和』に触れてきた? 行事だっていっしょくただろ。盆暮れ正月と同じように、クリスマスとハロウィンを楽しむ」
「そ、そんなの誰だって同じじゃない。なんでそんなことで責められないといけないの」
「わびさびの心も知らない。興味を持って踏み込んでみたこともない女じゃ、せいぜい七五三程度にしかならないってことだよ」
私の中で、何かがブチッと音を立てて切れた。
彼の言うことは一々私のこれまでの生き方を言い当てていて、そこに正論をぶつけられない。
でも、言われっぱなしで悔しいのは確かだった。
「や、やってやるわよっ!」
ドンッとカウンターを拳で叩いて、もう一歩彼に踏み出した。
『志麻』と由香が後ろから止める声が聞こえるけれど、失恋の痛手を受けたこの状態でこうも言いたい放題言われたら腹が立つ。
煮えくり返る。
見返してやる、いいじゃない。
やってやろうじゃないの!
「西郷さんもあなたも、見て驚くんじゃないわよっ! 心の底から後悔してひれ伏したくなるくらい着物美人になってやるっ……」
「どうやって?」
「ど、どうって……」
「手伝ってやるよ。俺が」
「……は?」
勢い付いた言葉を途中で遮られて、その挙句意味不明なことを言われて、私は素でキョトンとした。