俺様当主の花嫁教育
その日、御影さんは、正面ドア前に現れなかった。
日曜日の不機嫌を、月曜日になってもひきずっているのか、と思ったら、私まで面白くない気分になった。


けれど、来ないなら来ないでせいせいする、なんて平気でいられたのは、ほんの三日間だけ。


平日毎日待ち構えられていることに、あんなに閉口していたのに……。
最後の別れ方があんなだったから、いきなり野放しにされたみたいで不安が過った。


このまま本当に来なくなるなんてこと、ないよね……。


昨日、木曜日も御影さんがいないことを確認して、なんとなくガックリと肩を落とした。


エリカちゃんと話してから、ずっと気持ちが沈んだままだ。
こんな不安定な状態の時に、御影さんに見放されると思うと、これまた想像以上のダメージを受けそうで怖い。


見放されるって……当たり前にそんな風に思う自分に苦笑せざるを得ない。
これまでの問答無用の拉致とスパルタ特訓で、御影さんと一緒に過ごすことも日常的になってきた。
いつの間にかそれが当たり前になって、ただの『知り合い』でしかない彼に依存しかけていたのかもしれない。


『失恋したて』のアラサーOLだから……と言い訳して自分を甘やかしてみても、こんな私もまた図々しくて、自己嫌悪が募る。
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