俺様当主の花嫁教育
「おいこら、待てよ!」
西郷さんは私の後を追って出て来るけど、総合受付前は社員や来客が行き交っていて、人目が気になるようになる。
西郷さんは腕を掴むとか声を荒げる様子はなく、ただ私の後を追いながら、言いがかりを繰り出し続けるだけだ。
だから、無視出来た。
なのに。
「御影東和も大したことないな。茶道会のプリンスだか和服の貴公子だか知らないけど、所詮色狂いなだけだよな」
彼の辛辣な攻撃が御影さんに向けられた時、本気でカッとした。
反射的に立ち止まって西郷さんを振り返って睨みつけると、私が反応したことに満足したように西郷さんがニヤッと笑った。
「実力もないのにルックスだけで注目されてる無能な男なんだろうよ。由緒正しい血統の生まれなのに、はだけた着物しか似合わなそうな女相手にしてるんじゃあ」
「御影さんは、無能なんかじゃない!!」
思わずそう声を上げた。
さすがに西郷さんの頬がピクッと引き攣るのを見た。
「西郷さんに人のことどうこう言える? 親の権力に甘んじるだけで、実力の伴わないだらしない男じゃない!!」
勢いに任せて、思いつくままに捲し立てた。
私の目の前で、西郷さんの顔色は信号機のように変化する。
「お前……誰に向かって口きいてるんだ?」
溢れ返る苛立ちを隠そうともせず、西郷さんは声を震わせながら私に向かって勢いよく手を伸ばしてきた。
けれど、その手が私の目の前でピタッと止まる。
この期に及んで辺りを気にしているのか、西郷さんはさっと目を走らせた。
西郷さんは私の後を追って出て来るけど、総合受付前は社員や来客が行き交っていて、人目が気になるようになる。
西郷さんは腕を掴むとか声を荒げる様子はなく、ただ私の後を追いながら、言いがかりを繰り出し続けるだけだ。
だから、無視出来た。
なのに。
「御影東和も大したことないな。茶道会のプリンスだか和服の貴公子だか知らないけど、所詮色狂いなだけだよな」
彼の辛辣な攻撃が御影さんに向けられた時、本気でカッとした。
反射的に立ち止まって西郷さんを振り返って睨みつけると、私が反応したことに満足したように西郷さんがニヤッと笑った。
「実力もないのにルックスだけで注目されてる無能な男なんだろうよ。由緒正しい血統の生まれなのに、はだけた着物しか似合わなそうな女相手にしてるんじゃあ」
「御影さんは、無能なんかじゃない!!」
思わずそう声を上げた。
さすがに西郷さんの頬がピクッと引き攣るのを見た。
「西郷さんに人のことどうこう言える? 親の権力に甘んじるだけで、実力の伴わないだらしない男じゃない!!」
勢いに任せて、思いつくままに捲し立てた。
私の目の前で、西郷さんの顔色は信号機のように変化する。
「お前……誰に向かって口きいてるんだ?」
溢れ返る苛立ちを隠そうともせず、西郷さんは声を震わせながら私に向かって勢いよく手を伸ばしてきた。
けれど、その手が私の目の前でピタッと止まる。
この期に及んで辺りを気にしているのか、西郷さんはさっと目を走らせた。