俺様当主の花嫁教育
「……え?」

「大和撫子になるのは、元カレと東和、二人を見返すことだったはず。なのに、東和の為に元カレだけを見返すのが目的になってる」

「……っ……」


図星を突かれて、私は思わず息をのんだ。
咄嗟に言い返せない私に満足したように、千歳さんは肩を竦めて笑った。


「……とうとう東和も、本当に年貢の納め時かしらね~」


歌うような節をつける千歳さんに、私はぶんぶんと大きく首を横に振った。


「そんなわけないじゃないですかっ」

「あら、なんで?」

「なんで、って……私と御影さんとか……釣り合うわけないじゃないですか」


私の必死の反論に、千歳さんは不服そうに首を傾げた。


「なんで? だって、志麻ちゃんが西郷と結婚願望だけで付き合ってたのも、結局彼が社長子息で御曹司だったからでしょ?」


出来れば憚りたい理由を、千歳さんは歯に衣着せずにズバッと言い切った。
さすがに言い当てられた私の方が苦笑してしまう。


「御曹司が良かったなら、東和だって負けず劣らぬ御曹司よ」

「いや、それはそうですけど……」

「だったらこのまま東和と結婚しちゃえばいいじゃない! 東和の方も満更でもないと思うのよ。だって、あの東和が、志麻ちゃんには本腰入れて指導してるんだし」
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