俺様当主の花嫁教育
「そんな嘘つかないでください。もっともっと惨めになる」
俯いて、御影さんの声を蹴散らすように声を張ると、御影さんは呆れたような溜め息をついて、奥の壁に背を預けるようにして胡坐をかいた。
右足だけを立てて、膝の上に肘をつく。
和服の正装姿なのに、どこかやさぐれた姿勢がむしろ妖艶だ。
「何を不貞腐れてるのか知らんが、比較の対象にする方がおかしいだろ。西郷も彼女も、幼い頃からのたしなみがある。それに、お前がここんとこ俺を避けてたから、だいぶ長いこと教えてない。単に経験の差だ」
御影さんの言葉は確かにその通りだけど、私はそれを素直に受け入れられない。
「……それでも私は、後二週間でエリカちゃんに勝たなきゃいけないの。そうじゃなきゃ、西郷さんを見返せない」
そして、御影さんへの謝罪と感謝も出来ない……。
茶室の真ん中で立ち尽くしたまま頑なに言い張る私を、御影さんは黙って見上げた。
私の視界に、一番色っぽい角度の御影さんが映って、ドキンと鼓動が跳ねてしまう。
慌てて目を逸らして、身体の脇で右手をギュッと握りしめた。
「……エリカちゃんの所作、お点前、着物姿は、御影さんにとっても合格点だったでしょう?」
刺々しい口調になりそうなのをどうにか堪えて呟くと、御影さんはフフッと小さく笑った。
俯いて、御影さんの声を蹴散らすように声を張ると、御影さんは呆れたような溜め息をついて、奥の壁に背を預けるようにして胡坐をかいた。
右足だけを立てて、膝の上に肘をつく。
和服の正装姿なのに、どこかやさぐれた姿勢がむしろ妖艶だ。
「何を不貞腐れてるのか知らんが、比較の対象にする方がおかしいだろ。西郷も彼女も、幼い頃からのたしなみがある。それに、お前がここんとこ俺を避けてたから、だいぶ長いこと教えてない。単に経験の差だ」
御影さんの言葉は確かにその通りだけど、私はそれを素直に受け入れられない。
「……それでも私は、後二週間でエリカちゃんに勝たなきゃいけないの。そうじゃなきゃ、西郷さんを見返せない」
そして、御影さんへの謝罪と感謝も出来ない……。
茶室の真ん中で立ち尽くしたまま頑なに言い張る私を、御影さんは黙って見上げた。
私の視界に、一番色っぽい角度の御影さんが映って、ドキンと鼓動が跳ねてしまう。
慌てて目を逸らして、身体の脇で右手をギュッと握りしめた。
「……エリカちゃんの所作、お点前、着物姿は、御影さんにとっても合格点だったでしょう?」
刺々しい口調になりそうなのをどうにか堪えて呟くと、御影さんはフフッと小さく笑った。