君の隣
理名は一呼吸おいて、小さく返事をした。

 「……うん、大丈夫」

「結果、出たのよね」

 深月はそれ以上、言葉を重ねない。

 問いでもなければ、追い詰めているふうでもない。

 ただ、“届いているよ”というサインだけがあった。

理名は、ふとつぶやくようにこぼす。

 「泣くつもりなんて、なかった。

 大丈夫だって思ってたし……

でも、いざ“陰性”って言われたら、頭が真っ白になって……」

「……うん」

 深月の返事は、短く、けれど深く。

「帰りたくないって思っちゃった。
拓実に会いたくないわけじゃない。

 顔を見るのが怖くて。
“失望される”とかじゃない。

 なんていうか、自分の感情が整理できないまま、ぶつかりそう。
 棘のある言葉を、拓実に言っちゃいそうで。

 拓実は、ちゃんと支えてくれてるのに。

 ……それが、怖いの」

そこまで言って、理名ははっとする。

 「ごめん。

 私……何言ってるんだろう」

「……理名」

 
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