君の隣
拓実は苦笑しながら、肩をすくめる。

 「でも、見つけてくれてよかった。
 
あの手紙、俺の原点かもしれない」

 「じゃあ、ちゃんとファイルに入れて保管しようね。

 “脳内マップ”じゃなくて、現実の引き出しに」

 「はい、整理整頓係さん」

 ふたりであれこれ言い合いながらも、どこか楽しげで、心はほどけている。

「華恋って、当日座ってる暇あるかな……
 ウェディングプランナーだし。

 当日の忙しさ、オペ中の医師といい勝負よね」

 理名がペンを止めて、ふとつぶやく。

 拓実は少し考えてから、笑った。

 「ないかもね。

 でも、席次表に名前があるだけで、嬉しいんじゃない?

  “自分もこの輪の中にいる”って思えるし」

 「……そうだね。

 華恋、きっと喜ぶ」

 理名はそっとペンを走らせ、高校時代の親友のテーブルに、華恋の名前を丁寧に書き込んだ。
 

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