君の隣
寝室。

 暗がりの中、ワンピースの裾を拓実がそっと捲った。

 肌に触れるのは指先ではなく、吐息と視線。

 まるで“急がないで”と語るような、ゆっくりとした熱量。

「……拓実、やさしすぎて……
 やだ、もう……」

羞恥に背けた顔を、指先がやさしくすくってくる。

 そして、くちづけ。

 ふわりと触れた唇が、次の瞬間、深く沈むように押し広げられた。

 舌と舌が絡み合うたび、理名の腰が浮き、手がシーツを握る。

「理名、もっと……感じて……

 全部、俺のことだけで満たして……」

胸元に落ちたキスが、ゆっくりと谷間へ。

 脇腹をなぞって、腰のラインを辿っていく。

 細く震える吐息。

 拓実の手が太ももの内側に触れたとき、理名の脚が小さく跳ねた。

「っ……あ……だめ……そんなとこ……」

「……ずっとこうしたかった。

 触れて、味わって、理名の全部を感じたかった……」

指先が、温かく湿った奥へと沈んでいく。

 柔らかな水音が静かに響くたび、理名は眉を寄せて、切なげに名前を呼んだ。

「たくみ……
 ん……もぉ……っ、

 やだ……」

「やだ、じゃない。

 感じてる顔も、声も、身体の奥も。

 理名の全部……愛してる」

もう片方の手が、震える指を絡め取る。

 繋いだその手を強く握りしめるたび、理名の身体が反応した。

 揺れる胸元が息にあわせて上下し、唇からは甘い声が止まらない。

やがて、彼がゆっくりと身を重ねる。

 
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