君の隣
一瞬、止まる呼吸。

 理名の指先がぎゅっと彼の背に食い込む。

「……うっ……

 ……ん……」

重なった身体の中、確かに感じる熱。

 拓実が深く沈んでくるたび、理名の腰がそれに応えるように震えた。

「もっと……ずっと、こうして……

 拓実にしか、こうなれないから……」

「俺も……

 理名以外、考えられない。

 こんなに、愛おしくて、欲しくて……

 理名が俺の妻で、良かったよ」

交差する熱と鼓動。

 ふたりの動きは徐々に熱を帯び、甘い音が静かな部屋に響く。

何度も揺れる身体、深く結ばれた視線。

 とろけるような快感の波。

抗うことなく身を預ける。

理名は何度も、何度も──愛しい名前を呼び続けた。

「……拓実……
 拓実……っ」

汗に濡れた肌を重ねながら、愛を深く刻み合う夜。

 それは、春の闇の奥で密やかに咲き誇る花のように、
儚く、そしてどこまでも濃密だった。

空が白み始めるまで、ふたりはただ、お互いのすべてを求め続けていた。
 

 
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