君の隣
心の奥の奥──深く沈んでいた“痛み”。

 その隣に、“希望”というあたたかいものが、確かに芽吹いた。

慎也の胸に顔をうずめながら、麻未はふっと、微笑んだ。

 涙が乾いて、代わりに残ったのは、あたたかな安堵。

「……ありがとう。
 私、自分の気持ち……

 ちゃんと、こうして言えたの、初めてかもしれない」

「うん。聞けてよかったよ」

 慎也は、額にそっとキスを落とした。

 麻未にとって、それは安心をくれる合図だった。

「子どもを迎えることだけじゃなくてさ。

 君が君らしく、生きてくれることが、俺には一番、嬉しい」

「……なんか、それって、ズルいな」

「どうして?」

「私のこと、まるごと受け止めてくれるみたいで……ずるくて、優しくて。

 また好きになるじゃん」
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