君の隣
「今日も……外来、途中で代わってもらっちゃった。
……悪阻がひどくて、点滴受けて。
そのまま少し寝かせてもらって……」
「それでいいんだよ」
即座に返ってくる、迷いのない言葉。
でも──麻未は目を伏せたまま、小さく首を振った。
「……なんかね、申し訳なくなっちゃって。
周りが優しくしてくれるほど、自分がすごくダメな人間みたいで。
役に立ててないのに、気を遣わせて……
情けないっていうか……」
言葉の先がかすれていく。
慎也がそっと麻未の髪を撫でた。
「麻未は、命を育ててるんだよ。
いま一番大事な仕事をしてるじゃん」
「でも……私の中にいるだけで、まだ何もしてない」
「そうかな?」
慎也は、少しだけ身体を傾けて、麻未のお腹に頬をあてた。
服の上から、そっと手を重ねる。
「この子さ、今日もがんばってるよ。
“おなかの中で”ってことは、麻未も一緒にがんばってるってことだろ?」
小さく、でも確かに響く声。
……悪阻がひどくて、点滴受けて。
そのまま少し寝かせてもらって……」
「それでいいんだよ」
即座に返ってくる、迷いのない言葉。
でも──麻未は目を伏せたまま、小さく首を振った。
「……なんかね、申し訳なくなっちゃって。
周りが優しくしてくれるほど、自分がすごくダメな人間みたいで。
役に立ててないのに、気を遣わせて……
情けないっていうか……」
言葉の先がかすれていく。
慎也がそっと麻未の髪を撫でた。
「麻未は、命を育ててるんだよ。
いま一番大事な仕事をしてるじゃん」
「でも……私の中にいるだけで、まだ何もしてない」
「そうかな?」
慎也は、少しだけ身体を傾けて、麻未のお腹に頬をあてた。
服の上から、そっと手を重ねる。
「この子さ、今日もがんばってるよ。
“おなかの中で”ってことは、麻未も一緒にがんばってるってことだろ?」
小さく、でも確かに響く声。