君の隣
それから、5ヶ月が経った。

 ナースステーションに朝の光が差し込む。

 いつもと変わらない慌ただしい空気の中──

 麻未の姿は、どこかいつもと違って見えた。

白衣の下、ほんのりと丸くなったお腹。

 長く担当してきた患者たちへの申し送りは済ませた麻未。

 彼女は一人ひとりに目を向けて、ゆっくりと頭を下げた。

「今日で、一度、……お休みに入ります。

 今まで、本当にありがとうございました」

しんと、数秒の静けさ。
そのあとに──

「岡崎先生、絶対無理しないでね!」

 「戻ってきたらまた外来一緒にやってくださいね!」

 「赤ちゃんの写真、
 小児科医の、LINEに送ってくださーい!」

 「てか、名づけ候補決まりました?

 あ、いやそこはご主人と相談ですよね!」

予想していなかった“祝福ラッシュ”に、麻未は思わず笑ってしまった。

朱音も、少し離れたところから微笑んで頷いている。

その視線を感じて、麻未はほんの少し涙ぐんだ。

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