恋がしたい。ただ恋がしたい。
えっ、ちょっと待って?
確かに『別れて』とはっきり言われた訳じゃないけど、私の目の前で他の女にプロポーズしてたじゃない。
「こうして会って顔見たら、やっぱり俺にはお前しかいないんだって事がはっきりと分かったよ。」
混乱する私の様子には目もくれず、亨は笑顔で愛の言葉を口にしていく。
「香織だって同じ気持ちだろ?」
同じ気持ち以前に…亨の気持ちが分からないよ。
「待たせてごめん、香織。」
いやいやいやいや、待って無いし!
「俺と結婚してくれる?」
無理でしょ!妻(婚約者?)いるじゃん!
…どうしよう。この人が何を言っているのかは分かるのに、意味が一つも分かんない。
しかも、明らかに私が困ってる顔をしているって分かってるはずなのに、私からの返事が『イエス』である事を疑っていないその笑顔が怖い。
「あの…さ、亨。」
「何?香織。」
「亨は私の他に付き合ってる女(ひと)がいたんだよね?私が絶対同窓会に顔を出さないって知ってて、それでも来いってわざわざ呼んで。…目の前でプロポーズを見せつけられて…別れ話をした訳じゃないけど、あの瞬間に私達終わったでしょう?それなのに、嫉妬とか、別れてないとか、訳分かんないんだけど。」