恋がしたい。ただ恋がしたい。

どうしようかなぁと迷っていると、入り口のドアが開いて、若いウェイターが顔を出した。


まだ男の子と言ってもいいような可愛らしい雰囲気の子だ。ふわふわとパーマがかかったような茶色の髪と、その下からのぞくくりっとした目は、何となくトイプードルを連想させる。


「ご予約のお客様でしょうか?」


さすが、きちんとしつけ…いや、教育されている。


どう考えても客じゃない、こんな格好で窓からのぞく怪しい女にも、すぐに追い返す事はせずに笑顔で丁寧に対応してくれるなんて。


「あ、いえ。予約じゃなくて、店員の方に用事があって…。裕介く…えっと、葉山裕介さんはいらっしゃいますか?」


そう言うと、今まで笑顔で対応してくれていたその子の顔からスッと笑顔が消えた。


「あの…葉山とはどういったご関係でしょうか?」


硬い表情のままで問いつめられる。



まさか、そんな風に言われるとは思っていなくて、思わず言葉に詰まってしまった。


「…あ、あのっ。えーと、私、友達なんですけど、忘れ物を届けに来て…。崎山、って言ってもらえれば分かると思います…。」


しどろもどろになった上に、動揺して小さい声になってしまう。
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