恋がしたい。ただ恋がしたい。

ぐるっ、と志田ちゃんが振り向いたかと思ったら、「崎ちゃんセンセ、ちょっと顔貸して!」とものすごい勢いで私を職員室から引っ張り出した。


「ちょ、ちょ、ちょっと待って!これから巡回が…」


今日は、若手の先生は手分けして校内設備の点検と修理に当たる事になっている。


「俺、木村と先に行ってるから。志田、頼んだぞ。」


「えっ、何で…」


「崎ちゃんセンセは、いいから、こっち!」


そのままズルズルと女子トイレまで引っ張られた。


顔を貸せって言われたり、トイレに引きずり込まれたり、まるでいじめの呼び出しだ。


「座って、早く。」


そして、あろうことか個室まで引っ張り込んで、そこに座れと言ってくる。


「…まさかズボンまで下ろせなんて言わないよね?」


おそるおそる聞くと、


「当たり前じゃないですか。私、そんな趣味無いですよ。」


と呆れた顔で言われて、ますます訳が分からなくなった。



「あー、もうっ。鈍いんだから!…崎ちゃん先生背が高いから、座ってもらわないと届かないんですよ。」


「…届かないって…何が?」


「心当たり無いんですか?…無いわけないですよねぇ。」
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