恋がしたい。ただ恋がしたい。
…気まずい。
純くんとは、金曜日に八つ当たりみたいに怒って泣いて帰ってそれ以来だ。
何を話したらいいのか分からない。
佑介くんとの事を色々と誤解されているし、『Milkyway』での話合いもきっと知られているだろうし、亨との話を聞かれるのも、裕介くんとの事を聞かれるのも……首筋の紅い痕に気がつかれたのも…全てが気まずいし、辛い。
「…崎山?おい崎山、そっちじゃないって!」
「えっ?はっ、なっ、何っ?」
後ろから肩を掴まれて、思わず身体がビクッと跳ねてしまった。後ろを付いて歩いていたつもりだったけど、いつの間にか追い越していたらしい。
「校庭だって言っただろ?…ったく…。大丈夫か?顔色悪いし、元気も無いし。ちょっと肩掴んだだけでふらついてるし。」
「それは大村くんが馬鹿力で引っ張るからでしょ?デカイ私で良かったよ。志田ちゃんだったら転がってるからね。」
…心配してくれてるのに、可愛いげの無い言い方しかできない自分に呆れてしまう。
純くんも私の言葉を聞いて、それまでの心配そうな顔からすぐにムスッと口を引き結んだ不機嫌な表情に変わってしまった。
…ズキッ。
頭の奥から鈍い痛みが沸き上がる。
「…どこか痛むのか?」
一瞬だけ痛みで顔が歪んだのを、目ざとく見つけられてしまった。