恋がしたい。ただ恋がしたい。

「…紫は私に謝って欲しいの?」


一応確認すると、紫はあっさりと「ううん。」と否定した。


「別に謝って欲しい訳じゃないよ。香織はさ、裕介とずっと友達だったじゃない?香織と別れたバカ男だってさ、元は友達だったけど香織はそいつに想われてたって告白されるまで気がつかなかったんでしょ?」


確かに紫の言うとおりだった。亨とはずっと友達で、告白されるまで全く彼の好意には気がついていなかった。実は純くんと付き合っていた頃から私を好きでいてくれたと聞いたのは、付き合ってからだった。



「だから何のきっかけも無く突然裕介の事を好きにはなんないだろうなって。それがバカ男から助けてもらったってだけだとちょっと弱いしね。バカ男との関係も、気持ちもきっちりカタが付いたから、隠れてた本当の気持ちに気がついたんじゃないのかと思ったのよね。……だから、まぁ言いにくい気持ちも分かるけど、この場合やったやんないってのも大した問題じゃないワケよ。」


「……うっ。」


言えなかった部分をさらりと言い当てられて、恥ずかしさに頬に熱が集まっていく。


「って、そんな真っ赤になんないでよ。別にバージンじゃあるまいし。」


明け透けな物言いに、今度こそ顔どころか頭のてっぺんにまでカアッと血が上って行くのをはっきりと自覚した。


「その辺も含めて、何があったのかは詳しくは聞かないけどさ。一つだけ教えて?……香織はさ、裕介が彼女がいるのに香織にも手を出したって……本気でそう思ってるの?」
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