恋がしたい。ただ恋がしたい。
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「はい、どうぞ召し上がれ!」
クーラーの効いたリビングで、鍋を食べるのは初めての経験だ。しかも、紫の手料理を食べるのも…。
おそるおそる一口、口にする。
……美味しい。
紫は私の表情をじっと見ていて、美味しい…と思った所でニヤリと笑った。
「ほらね、美味しいでしょ?家はしょうゆ派だから、塩味は初めて作ったけど、鍋の素が無くても鍋って作れるのね。」
レシピ検索していけると思っただけで、初めて作った料理を友達に振る舞うその勇気に乾杯したい。
「怖がって、何にもうまくいかないって嘆いてないで、思いきってやってみたほうが旨くいく事もあるかもしれないってことよ。」
「旨く、じゃなくて上手くでしょ…。」
「ふふふっ…気がついた?まぁ、どっちでもいいじゃない。」