恋がしたい。ただ恋がしたい。
やがて酔い潰れてソファーで眠ってしまった紫に毛布をかけながら、裕介くんが私に向かって唐突に話はじめた。
「紫ちゃんは、奈緒子ちゃんが入院した事を知らなかったんだよ。もちろん純くんの事もね。うちの親が奈緒子ちゃんのお母さんと話して偶然知ったみたい。…だから、責めないであげてね。」
奈緒子ちゃんが入院した事を知らなかったら…責めないであげて?
よく意味が分からなくて聞き返すと、「飲みながら話しましょうか。」と言って、一緒にワインのグラスを傾けながらゆっくりと説明してくれた。
紫は奈緒子ちゃんの入院を知って純くんに事情を聞こうと連絡したんだけど、純くんの方はてっきり私から話を聞いて電話をしてきたんだと思いこんで、香織を傷つけてごめんと謝ってきたらしい。
「…だから僕は詳しい事は分からないけど、みんな興味本位で崎山さんの話をしてた訳じゃ無いって事。このタイミングで連絡したら、崎山さんは絶対に気にするよな、どうしようかな…って紫ちゃん、ずいぶん悩んでたから。」
「でも飲みはじめちゃったら、もういつもの紫ちゃんのペースでしょ?最初にそう悩んでた事なんかすっかり忘れちゃってるだろうから、僕が話したのはフォロ―のつもり。紫ちゃんは奈緒子ちゃんとも仲良しだから、思うところもあるかもしれないけど、どうかこれからも紫ちゃんの友達でいて下さい。」
そう言って丁寧に頭を下げてくれた。