恋がしたい。ただ恋がしたい。
「………………うそでしょ?」
自分の気持ちは間違い無く伝えようと思っていた。
だけど、返事なんてまるで期待していなくって……
『気の迷いだった』とか、『お互い大人なんだから忘れよう』とか……『ごめん。本当は彼女がいるんだ』って言われる覚悟はとっくにできていたのに……。
私と同じように、裕介くんも私を好きになってくれていたなんて、全く考えてもいなかった。
「嘘でしょ?って……ここまでして、僕がどうして嘘をつく必要があるの?」
目の前で、はぁー……と深い深いため息を吐かれたけど、ため息をつきたいのは私のほうだ。
……彼女の事はどうするの?
私が知らないと思ってる?だから、私に好きだって言ってるの?
ひょっとして、私、また二股かけられようとしてるの?………なんて不安になってしまう。
裕介くんの事は好きだし、今の言葉だって本当は信じたい。
だけど、あれだけ真剣に付き合ってきて、私に誠実に向き合ってくれていたって信じていた亨だって、私に隠れて浮気していたんだもの。
「……菅原さんの事は、いいの?」
唇の震えを堪えながら、何とかこれだけを口にする。勇気の無い私からの、精一杯の問いかけだった。
「菅原さん?……あぁ。何か聞いたの?言うタイミング逃しちゃってたけど、土曜日僕が出掛けた後にお店にスマホ届けてくれたんだよね。出られなくてごめんね。」