恋がしたい。ただ恋がしたい。

「んっ…ゆうっ…」


ちゃんと話してくれないと分からないって、そう言ってたくせに最後まで話をさせてくれないなんて、ずるい。


話を続けたいのに名前すら呼ばせてもらえないなんて。


「んっ…んん…っ!」


裕介くんの胸を押して唇を離そうとしたけど、両方の手で耳ごと頭を押さえられて、さらに深いキスをされた。


ずるい。ずるい。ずるい…


濡れたキスの音が頭の中に響く。

耳を塞がれてしまっているから、舌が絡まる度にはしたない水音が立つのが嫌でも分かってしまう。


抵抗する気持ちも、抗議の言葉も、いつの間にかぼやけて蕩けてぐずぐずになって消えてしまっていた。


「…っ……はぁ…っ。」


息をする事もできなくて、ようやく解かれた口元から慌てて息を吸うと、心臓がドクドクと激しく脈打った。


裕介くんの胸元に必死にすがり付く。そうしていないと自分の身体が崩れ落ちてしまいそうだった。



「…和希さんからはどこまで聞いたの?」


ふいに裕介くんが口を開いた。


『かずきさん』?…『和希さん?』『どこまで?』


ぼやけた頭では何も考えられなくて、首を傾げながらオウム返しのように言葉を返してしまった。
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