恋がしたい。ただ恋がしたい。
プロポーズをした段階では、二人の間には『浮気』と言える決定的な行為は一切無かったそうだけど……そんな事はもうどうだっていい。
ただ、亨の予想以上に私はショックを受けて、問いただすどころじゃなくなって、結果的に全てをスルーしてしまったのは亨にとっては誤算だっただろうと思う。
正直、プロポーズで私の気持ちを試すとか、私の気を引こうと泥棒まがいのあんなやり方をしないでくれたら、
浮気をした事を素直に認めて誠心誠意謝ってくれて、「やっぱり俺にはお前だけだ。結婚しよう。」なんてプロポーズをしてくれたら……たぶん、私は亨を許していただろうし、プロポーズも受け入れちゃってたんじゃないかな。
紫にはバカだね、って相当責められてたかもしれないけどね。
一度違ってしまった道は二度と交わる事は無い。私と亨はもうお互いに違う道を歩き出している。
全てのわだかまりが解けた訳じゃ無いけど、亨と別れ話ができて良かった。
これで、もし今後同じ学校に赴任しても、普通の同僚として接する心構えができたから。