恋がしたい。ただ恋がしたい。

「……それは最近気が付きました。」


志田ちゃんから、私が普段苦手な恋愛の話を飲み会の席ではデレながら(まだこの辺は信じられないのだけど…)話していたと聞いた時はかなり驚いたけど、よくよく考えてみたら飲み会や、紫や裕介くんと飲んでいた時にふと時計を見たら、自分で思っている以上にずいぶん時間が経っていたなと思う時が何度もあった。



『酔っててもあんま変わんないね。』


みんなそう言ってくれるから、自分はお酒に強いんだって勘違いしてた。


しっかりしているように見せかけて、合間の記憶がすっぽり抜けているなんて、一番タチが悪い酔い方じゃないのかな……。


「紫や裕介くんにも……迷惑かけてた?」

おそるおそる口にすると、裕介くんはそれには答えず、にこりと笑いながら「今は大丈夫?明日になったら全部覚えてませんでした、って事はないよね?」なんて聞いてくる。


「もう!さすがにビール2杯じゃ酔いません!」


「2杯って言っても、それ、大ジョッキだしね…この前ビール二缶で具合悪くなっちゃった人は誰だったっけ?」


有紗さんに嫉妬して体調を崩したあの日の事を持ち出されて、ぐぅ……と声にならない唸りが喉の奥から出てしまう。


「まぁ……倒れたりとか、吐いたりとか迷惑な酔い方は絶対しないし、酔ってる香織ちゃんのほうがちょっとだけ素直だし、あれはあれで可愛いからそのままのペースで飲んでもらっても全然構わないんだけどね。」
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