恋がしたい。ただ恋がしたい。

確かに、あの時あんなに好きだった純くんや、一番多くの時間を一緒に過ごした紫との会話だって、一言一句正確に覚えている訳じゃない。


だから、ほとんど話す機会の無かった裕介くんとの会話が私の記憶の中の大切な思い出の一ページとして残っていなくても、裕介くんが言うように仕方の無い事なのかもしれない。


……だけどね、それでも今私が大好きでいちばん大切な人は裕介くんだから、その事を全く思い出せないっていうのがとっても悔しいっていう気持ちになっちゃうんだ。どうしても。


そんな私の気持ちが伝わったのか、ふふっと優しく微笑みながら裕介くんは教えてくれた。


「僕が二年の時。部活を三年生が引退して、僕がキャプテンになったのは覚えてるよね?」


それは、さすがに覚えてる。小山と当時次のキャプテンは誰にするのかとか、引き継ぎをどうしたらスムーズにできるかとか、何度か会話をした記憶があったから。


「奏一くんに指名された時はほんとうに驚いて、僕になんかできるわけがないって思ってた。」


確かに、あんな完璧人間(腹黒だけど)の後を任されたら自信を無くしてしまいそうだ。


「でも裕介くん、断ったりとかしてなかったよね?何回か引退した後練習見に行ってたけど、裕介くんちゃんと頑張ってキャプテンの役割をこなしてたように見えたんだけど……違うの?」
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