恋がしたい。ただ恋がしたい。
部屋に入り込んだのは知らない人では無かったけど…知らない人が入り込んだのよりよっぽどたちが悪い。
はっ、と思い付いて立ち上がり、ふらつく足に力を入れながらヨロヨロと玄関まで歩いた。
ポストの蓋をガシャンと乱暴に開けて、隅々まで中を見回したけれど、そこには私の期待したものは入っていなかった。
「……っ。」
何よ…何よ、何よ、何よ…。
「何なのよ!!私が何をしたって言うのよ!!」
気がついたら夜だという事も忘れて大声で叫んでしまっていた。
そんなに私と会いたく無かったの!?
別れ話もしない、顔を合わせることすらしない。
私が好きだった人は、こんなにも不誠実な男だったのか。
「もしかして合鍵?…返さなかったの?アイツ。」
裕介くんが呆れた様子で声をかけてきた。
そうだよ!必要な物を持って行ったんだったら、普通は合鍵を返すでしょ!?
ここは私の部屋なのに!
ってか、あんたが持って行ったこの服だって、ほとんど私が買ったんでしょうが!!
「合鍵返せ!ドロボー!!…って、あれ?裕介くん亨の事知ってたっけ?」