恋がしたい。ただ恋がしたい。

「ほんと、よく分かってるね。」


「だって、香織ちゃん足キレイだから。出さないと勿体ないよ。」


さらっと誉められて、苛立っていた今までの気持ちもちょっと軽くなって、思わず笑顔になった。


裕介くんとは感覚が似ているみたいで、今みたいに気が合うな、分かってるなー、と感じることが多かったりする。


ポテトチップスはコンソメ味、アイスクリームはチョコミント。コーラはゼロとかじゃなくって、昔っからの赤いボトル!絶対!


とか、数え上げたらキリが無くって、紫には「あんたたちのほうが絶対血が繋がってるわ。」と言われた事もあるくらいだ。




久しぶりにチョコミントのアイスが食べたい…そんな呑気な事を考えていたら、「じゃあさ、香織ちゃん。この服は絶対に持ってね。あと、その似合わないワンピースは捨てて行こう。」とポン、と裕介くんに肩を叩かれた。


唐突なその言葉に、思わず「…へっ?」と間の抜けた声が出る。


ワンピースを捨てて、は分かるけど、『捨てて行こう』?ショートパンツを『持ってね』ってどういう意味??



「ほら、香織ちゃん、鞄に荷物詰めて。仕事に必要な物は忘れないで全部持つんだよ。貴重品も一応全部持って。」


ちょ、ちょ、ちょっと待って。…今、11時半だよ?


これから…鞄に私は荷物を詰めて…


「何で?私、これから何処に行くの?!」
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